安全書類(グリーンファイル)とは何か、施工体制台帳・施工体系図・再下請負通知書・作業員名簿の書き方を、記載例つきで整理します。書類を集める側(元請け・1次)の実務のコツ、不備の防ぎ方・更新まで。様式は発注者・元請けの指定に従う前提で解説します。
安全書類とは、建設現場で協力会社(下請け)が元請けに提出する、施工体制・作業員・持込機械などをまとめた書類の総称です。全国建設業協会の統一様式の表紙が緑色だったことから、現場では「グリーンファイル」と呼ばれます。
目的は大きく 3 つです。
元請け・1次にとっては、下請けから正確な書類を「集める」ことが実務の中心になります。書類そのものは各社が作成しますが、期限までに不備なく回収し、体制図・台帳に反映するのが集約側の役割です。
現場や発注者によって求められる書類は異なりますが、代表的なものは次のとおりです。様式(テンプレート)・提出範囲は現場ごとに違うため、決まった雛形をそのまま使い回さず、必ず発注者・元請けの指定を確認してください。
| 書類名 | 主な役割 | 主に用意する立場 |
|---|---|---|
| 施工体制台帳 | 現場に関わる元請・下請の体制を一覧化 | 元請(下請から情報収集) |
| 施工体系図 | 台帳をもとに施工の分担関係を図で掲示 | 元請 |
| 再下請負通知書 | 二次以降へ再発注したことを上位へ通知 | 再発注した下請(1次・2次…) |
| 作業員名簿 | 現場に入る作業員の氏名・保険・資格を明示 | 各協力会社 |
| 持込機械等使用届 | 電動工具・重機など持込機械の申請 | 各協力会社 |
| 工事安全衛生計画書 | 現場ごとの安全衛生の計画・体制 | 元請・協力会社 |
このほか、危険物・有害物質持込使用届、火気使用届、工事用車両届、新規入場者教育記録などが求められることもあります。
施工体制台帳は、その現場に関わる元請・下請の体制をまとめた台帳です。一般に、一定規模以上の下請契約を伴う工事で作成が求められ、公共工事では下請契約があれば金額にかかわらず必要とされることが多いです。必要となる金額や条件は改正で変わるため、最新の基準を確認してください。
主な記載項目と記載例は次のとおりです(あくまで例で、様式により項目は異なります)。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 元請の商号・許可番号 | ○○建設株式会社/○○知事許可(般-○)第○○○○○号 |
| 工事名称・工事内容 | ○○ビル新築工事(鉄骨・内装ほか) |
| 工期 | 2026年4月1日 〜 2026年9月30日 |
| 監理技術者/主任技術者 | 氏名・保有資格・専任/非専任の別 |
| 下請負人の商号・住所・許可番号 | 協力会社ごとに1行ずつ記載 |
| 下請契約の工事内容・工期 | 型枠工事 2026/5/1〜6/30 / 内装工事 … |
集める側のポイントは、下請各社の「商号・許可番号・技術者名」を最初に一度そろえておくこと。案件ごとに聞き直すと不備の温床になります。
施工体系図は、施工体制台帳をもとに、各下請負人の施工の分担関係を「図」で表したものです。現場の見やすい場所への掲示が求められるのが一般的です。作り方の基本は次のとおりです。
体系図は台帳と内容が一致していることが大切です。台帳を更新したら体系図も更新する、とセットで運用します。
再下請負通知書は、1次(や2次)が自社の下請けへ再発注(再下請負)したことを、上位へ通知する書類です。再発注が発生した会社が作成します。主な記載内容は、再下請負人の会社情報(商号・住所・許可番号)、代表者、現場代理人・主任技術者、工事内容・工期、健康保険等の加入状況などです。
集約側は、「どの工種で再下請負が発生するか」を発注の時点で見込んでおくと、通知書の抜けを防げます。
作業員名簿は、現場に入場する作業員を一覧化した書類です。個人情報を含むため、取り扱いには注意します。主な項目の例は次のとおりです。
| 区分 | 記載する内容の例 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名・ふりがな・生年月日・年齢・住所 |
| 雇用・保険 | 雇用保険/健康保険/年金保険の加入状況、雇入年月日 |
| 資格・教育 | 保有資格(玉掛け・高所作業車など)、特別教育・技能講習 |
| 安全・健康 | 血液型、直近の健康診断日、受入(新規入場者)教育日 |
| 緊急連絡 | 緊急連絡先・続柄 |
名簿は入場の前日までに回収し、当日朝にならないうちに不備(保険の空欄・資格の抜け)を確認するのが安全です。
安全書類は「作る」より「集める」ほうが大変です。集約側のつまずきは、依頼の伝え方と情報の使い回しでかなり減らせます。
そもそも「誰に、どの工種で、いつ頼んだか」がきちんと記録として残っていれば、書類集めの土台になります。口頭やLINEのやり取りだけだと、依頼した事実・連絡先・担当がバラバラになり、書類の督促そのものが手間になります。
協力会社手配アプリ「工事依頼くん」には、安全書類を作成・自動生成する機能はありません(PDFを自動生成するのは請求書のみです)。安全書類そのものは、これまでどおり各社の様式・発注者の指定に沿って用意してください。
一方で、書類集めの前段は工事依頼くんで整えられます。
「誰に何を頼み、どこへ連絡するか」がそろっていれば、そのぶん書類の督促・回収が進めやすくなります。
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無料で始める →A. 一般に、現場に入る協力会社(下請け)がそれぞれ作成し、元請けや上位の会社が集約・確認します。施工体制台帳・施工体系図は元請けが下請けから情報を集めて作成するのが一般的です。詳細は発注者の指定・元請けのルールに従ってください。
A. 一般に、一定規模以上の下請契約を伴う工事で作成が求められ、公共工事では下請契約があれば金額にかかわらず必要とされることが多いです。必要となる金額や条件は建設業法の改正で変わるため、最新の基準・発注者の指定・専門家への確認が前提です。
A. 全国建設業協会の統一様式(グリーンファイル)が広く使われますが、発注者や元請けが独自様式を指定することも珍しくありません。まずは発注者・元請けの指定様式を確認し、それに合わせるのが確実です。
A. いいえ。工事依頼くんに安全書類を作成・自動生成する機能はありません(PDF自動生成は請求書のみ)。ただし協力会社の連絡先・担当者・対応工種などの基本情報を一元管理でき、依頼から受諾までが記録として残るため、書類集めの前段がスムーズになります。