工事を協力会社へ発注するときに交わす「注文書」 と「注文請書」。 両者の違い・役割、 一般に必要とされる記載事項、 書き方の記載例、 電子化の可否までを、 元請け・1次協力会社の実務目線でまとめます。
注文書は、 発注者 (元請け・1次協力会社) が「この工事を、 この条件で発注します」 という意思を相手に示すための書面です。 一方の注文請書 (請書) は、 受注者 (協力会社) がその注文の内容を確認し「その条件で請け負います」 と承諾を示すための書面です。
工事の請負は口約束でも成立し得ますが、 後から「言った・言わない」 のトラブルを避けるため、 発注の内容を書面で残しておくのが基本です。 とくに建設工事では、 工期や請負代金・支払条件を明確にしておくことが、 元請け・協力会社の双方を守ることにつながります。
注文書と請書は「発注 → 承諾」 のペアで機能します。 役割を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 注文書 | 注文請書 |
|---|---|---|
| 作成する側 | 発注者 (元請け・1次) | 受注者 (協力会社) |
| 示す意思 | 「発注します」 (申込) | 「請け負います」 (承諾) |
| 渡す方向 | 発注者 → 受注者 | 受注者 → 発注者 |
| 主な役割 | 工事内容・条件を提示 | 提示された条件への合意を確認 |
実務では、 注文書に「請書」 の控え欄を設けて 1 枚で往復させたり、 注文書・請書を別々に交わしたりと、 会社ごとにやり方が異なります。 いずれの方式でも、 「誰が・何を・いつまでに・いくらで」 が両者で一致していることが重要です。
建設工事の請負契約では、 契約の内容を書面で明確にしておくことが一般に求められます。 注文書・請書を含む発注書面でよく記載される項目には、 次のようなものがあります。
| 記載項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 工事名称・工事内容 | 「〇〇邸 新築工事のうち内装工事一式」 など、 何の工事かを特定 |
| 工事場所 | 施工する現場の住所・名称 |
| 工期 (着手・完成の時期) | 着手予定日と完成 (引渡し) 予定日 |
| 請負代金の額 | 税抜金額・消費税額・税込金額 |
| 支払方法・支払時期 | 締め日・支払日、 現金/振込、 出来高払いの有無など |
| 検査・引渡しの時期 | 完成検査を行う時期、 目的物を引き渡す時期 |
| 材料・立替の扱い | 材料を発注者・受注者どちらが負担するか |
| その他の定め | 契約解除・遅延・不可抗力・紛争解決の方法など |
注文書は、 上記の記載事項を漏れなく埋めていくのが基本です。 一般的な構成の記載例を示します。
【注文書】記載例 (項目イメージ)
金額は現場ごとに大きく異なるため、 具体的な単価・金額は例示にとどめ、 自社の見積・契約条件に置き換えてください。 常用 (人工) と請負では金額の立て方が変わります。 詳しくは 常用と請負の違い の記事も参考にしてください。
注文請書は、 受け取った注文書の内容を「そのとおり請け負う」 と確認する書面です。 注文書の内容と食い違いが出ないよう、 工事名・工期・請負代金は注文書と同じ表記でそろえるのが基本です。
【注文請書】記載例 (項目イメージ)
注文請書に収入印紙が必要になる場合があります (契約金額により異なります)。 印紙の要否・金額は取引ごとに変わるため、 発注者の運用や専門家の確認に従ってください。
近年は、 紙の注文書・請書を郵送する代わりに、 PDF をメールで送る、 電子契約サービスで締結するといった電子的なやり取りも広がっています。
一般に、 相手方の承諾を得たうえで、 内容を確認・保存でき、 改ざんを確認できる形式であれば、 電子的な方法で交付することも可能とされています。 ただし、 電子帳簿保存法にもとづく保存要件や、 電子契約サービスの選定・運用ルールは、 会社ごとに整理が必要です。 導入にあたっては、 発注者の運用や専門家の助言に従って進めるのが安全です。
協力会社手配アプリ「工事依頼くん」 は、 建設の元請け・1次協力会社が 協力会社への依頼から受諾・作業報告・請求書までを一画面で管理できる PWA です。 注文書のやり取りそのものを紙で完結させている会社でも、 発注の実務をアプリ上の記録 (証跡) として残せます。
「誰に・いつ・何を・いくらで依頼し、 相手が受けたか」 が画面に残るため、 口頭や LINE だけのやり取りより、 発注の経緯を後から追いやすくなります。
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無料で始める →A. 実務では、 発注内容を明確にし合意を確認するために、 注文書と請書をペアで交わすのが一般的です。 ただし 1 枚の書面で「注文」 と「請」 を往復させる方式もあります。 どの方式にするかは発注者の運用や契約形態によります。
A. 法律で統一された様式はありません。 一般に、 工事名・場所・工期・請負代金・支払方法・検査時期などを漏れなく記載できる書式であれば、 Excel・専用書式のいずれでも構いません。 必要項目の要否は取引内容によって異なるため、 詳細は専門家にご確認ください。
A. いいえ。 工事依頼くんが自動生成する PDF は請求書のみです。 注文書・注文請書は自社の書式で作成いただき、 工事依頼くんでは依頼・受諾・金額を記録として残す用途でご利用ください。
A. 発注自体は口頭でも成立し得ますが、 内容が残らないと後で認識のズレやトラブルの原因になります。 少なくとも工期・金額・支払条件は書面またはアプリ上の記録として残しておくことをおすすめします。 協力会社管理 とあわせて整理すると、 発注の抜け漏れを減らせます。