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建設業の請求書の書き方|常用・出来高・一人親方の記載例と必要項目【インボイス対応】

建設業の請求書は、 常用 (人工) か出来高・請負かで書き方が変わります。 適格請求書 (インボイス) の必要項目、 常用・出来高・一人親方それぞれの記載例、 消費税の端数処理や源泉徴収の注意点まで、 記載例つきで実務に沿って解説します。

1. 建設業の請求書に必要な項目 (インボイス対応)

建設業の請求書に、 法律で定められた「決まった書式」 はありません。 A4 縦・横、 Excel・手書き・専用システムのいずれでも構いません。 ただし 適格請求書 (インボイス) として発行する場合は、 定められた記載事項をすべて満たす必要があります。 満たしていないと、 受け取った元請け側が仕入税額控除を受けられない (=実質的な値引き交渉の火種になる) ため、 建設業では特に重要です。

一般的な請求書の基本項目

適格請求書 (インボイス) として満たすべき記載事項

上記に加えて、 適格請求書には次の項目が必要です。 太字が一般の請求書に「追加で」 求められる部分です。

建設工事は原則 10% の標準税率のみで、 軽減税率 (8%) の対象になることはほとんどありません。 それでも「10% 対象 〇〇円/消費税 〇〇円」 のように 税率と消費税額を明示するのがインボイスの肝です。

制度そのもの (適格請求書発行事業者の登録、 T 番号の確認方法、 免税事業者との取引、 経過措置など) は 建設業のインボイス (適格請求書) 対応 完全ガイド で詳しく解説しています。 本記事は「書き方・記載例」に絞ります。

2. 常用 (人工) の請求書の書き方・記載例

常用 (じょうよう) とは、 「人工 (にんく) 単価 × 人数 (または日数)」 で報酬を計算する働き方です。 仕事の完成に対してではなく、 投入した労働量 (人日) に対して支払われるのが特徴です。 応援・手間請け・日雇いに近い形態でよく使われます。

常用請求書の書き方のポイント

そのまま真似できる記載例 (常用・人工の見本)

※金額は現場・地域・職種で異なるため、 下表の数値はあくまで記入位置を示す「例」です。 実際の単価に置き換えてください。

品目 (工事名・作業内容)数量単位単価金額
〇〇邸 内装工事 常用 (大工)5人工(例) 単価/人工(例) 小計
〇〇邸 内装工事 常用 (手元)3人工(例) 単価/人工(例) 小計
小計 (税抜)(例)
消費税 (10%)(例)
合計 (税込)(例)

常用は「作業したのに人工数を巡って揉める」 ことが起きがちです。 誰が・いつ・何人・何日入ったかを出面で残し、 請求の人工数と一致させておくのが最大のトラブル防止策です。

3. 出来高・請負の請求書の書き方・記載例

出来高 (できだか)・請負は、 「仕事の完成・進捗」 に対して金額を決める形態です。 常用が「人 × 日」 で積み上げるのに対し、 こちらは工事費 (総額) や単位あたりの数量で計算します。

請負 (工事費・総額) の書き方

出来高 (数量精算) の書き方

そのまま真似できる記載例 (出来高・数量精算の見本)

※数値は記入位置を示す「例」です。

品目 (工事名・作業内容)数量単位単価金額
〇〇ビル 塗装工事 (外壁)120(例) 単価/㎡(例) 小計
〇〇ビル 防水工事 (屋上)1(例)(例) 小計
追加工事 (下地補修)1(例)(例) 小計
小計 (税抜)(例)
消費税 (10%)(例)
合計 (税込)(例)

常用と出来高・請負の違い (早見表)

観点常用 (人工)出来高・請負
報酬の基準投入した人日 (人 × 日)完成・進捗・数量
単位人工 (にんく)式・㎡・m・箇所・総額
請求の根拠出面表・作業日報出来高調書・査定書・契約書
リスク人工数の食い違い数量・追加工事の認識ずれ

どちらで契約すべきかで迷う場合は 常用と請負の違い|どちらで契約すべきか も参考にしてください。

4. 一人親方が出す請求書の書き方

一人親方 (個人事業主) が元請け・上位の協力会社に出す請求書も、 記載事項の考え方は法人と同じです。 特有のポイントを押さえておきましょう。

一人親方としての外注・受注全般の注意点は 一人親方への外注|契約・請求・インボイスの注意点 にまとめています。

5. 消費税・端数処理・源泉の注意点

消費税の端数処理は「税率ごとに 1 回」

インボイス制度では、 1 つの請求書につき、 税率ごとに 1 回だけ端数処理を行うのがルールです。 明細行ごとに消費税を計算して切り上げ・切り捨てを繰り返すのは認められません。

源泉徴収

前述のとおり、 建設業の工事代金 (請負・常用の労務) は原則として源泉徴収の対象外です。 個人への「報酬・料金」 に当たる特定の業務のみが対象になります。 判断に迷う取引は、 支払者側・税理士に確認してください。

その他の実務注意

6. Excel 雛形の限界と自動化

建設業の請求書は、 Excel の雛形 (テンプレート) で作っている会社が今も大半です。 手軽ですが、 件数が増えると次のような限界が見えてきます。

Excel 雛形でありがちな問題結果
登録番号や税率別消費税の記載漏れインボイスとして不備・修正の手戻り
明細行ごとに消費税を計算してしまう端数処理ルール違反・金額のズレ
案件・出面データを手で転記人工数・数量の写し間違い
ファイルが個人 PC に散在控えの管理・再発行が煩雑
PDF 化・送付を手作業送り漏れ・遅延

特に建設業は、 案件 → 手配 → 作業報告 → 請求という一連の流れがあります。 ここが分断され、 最後の請求だけ Excel で手入力していると、 数量・人工・追加工事の転記ミスが起きやすくなります。 案件データからそのまま請求書を作れる仕組みにすると、 記載漏れと転記ミスを根本から減らせます。

7. 工事依頼くんは案件からインボイス対応 PDF を自動生成

協力会社手配アプリ「工事依頼くん」 は、 案件登録から協力会社への依頼・受諾・作業報告までを一画面で管理でき、 そのまま適格請求書 (インボイス) 対応の請求書 PDF を自動生成できる PWA です。 請求だけを別の Excel に手入力し直す必要がありません。

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8. よくある質問 (FAQ)

Q. 建設業の請求書に決まった書式はありますか?

A. 法律で定められた決まった書式はありません。 ただし適格請求書 (インボイス) として発行する場合は、 登録番号・税率別の対価の額・税率ごとの消費税額など、 定められた記載事項をすべて満たす必要があります。 記載事項さえ満たせば、 Excel・手書き・専用システムのいずれで作成しても有効です。

Q. 常用 (人工) の請求書はどう書きますか?

A. 品目欄に工事名・作業内容を書き、 単位を「人工 (にんく)」 として「人工単価 × 人数 (または日数)」 で金額を計算します。 例: 「〇〇邸 内装工事 常用」 単価 (例)/人工 × 人数 = 小計、 のように記載します。 断定的な金額は現場ごとに異なるため、 自社の単価に置き換えてください。

Q. 一人親方でも請求書に登録番号は必要ですか?

A. 適格請求書発行事業者として登録している一人親方は、 請求書に登録番号 (T + 13 桁) を記載します。 登録していない (免税事業者の) 場合は登録番号は記載できません。 会社名の欄は屋号や個人名でも問題ありません。